きゅうぶんにほんばし 13 おはかのすげかえ
旧聞日本橋 13 お墓のすげかえ

冒頭文

一族の石塔五十幾基をもった、朝散太夫(ちょうさんだいぶ)藤木氏の末裔(まつえい)チンコッきりおじさんは、三人の兄弟であったが、揃いもそろった幕末お旗本ならずものの見本で、仲兄は切腹、上の兄は他から帰ってきたところを、襖(ふすま)のかげから跳(おど)り出た父親が手にかけたのだった。末子(ばっし)のチンコッきりおじさんが家督をついだ時分には、もうそんな、放蕩児(ほうとうじ)なぞ気にかけていられない世の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旧聞日本橋
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1983(昭和58)年8月16日