はいきょ(ひとまく)
廃墟(一幕)

冒頭文

人間 柴田欣一郎 誠     その長男 欣二      次男 双葉      次女 富本三平 圭子 清水八郎 せい子 お光 浮浪者 柴田一家が住み、食い、寝ているガランとした大きな洋室。もとはかなり立派な室の、現在では家具調度もなくなり、敷物もはぎとられた裸かの板敷の床。こちらに、仕事机兼食卓の大きな楕円形のテーブル。それを取りかこんで五六の椅

文字遣い

新字新仮名

初出

「世界評論」1947(昭和22)年5月号

底本

  • 三好十郎の仕事 第三巻
  • 學藝書林
  • 1968(昭和43)年9月30日