しょうらいのにほん 03 さいはんのじょ
将来の日本 03 再版の序

冒頭文

熊本の徳富君猪一郎、さきに一書を著わし、題して『将来の日本』という。活版世に行なわれ、いくばくもなく売り尽くす。まさにまた版行せんとし、来たりて余の序を請う。受けてこれを読むに、けだし近時英国の碩学(せきがく)スペンサー氏の万物の追世化成の説を祖述し、さらに創意発明するところあり。よってもってわが邦(くに)の制度文物、異日必ずまさになるべき云々の状を論ず。すこぶる精微を極め、文辞また婉宕(えんとう

文字遣い

新字新仮名

初出

「将来の日本」経済雑誌社、1887(明治20)年第3版

底本

  • 日本の名著 40
  • 中央公論社
  • 1971(昭和46)年8月10日