どうちゅうき
道中記

冒頭文

三月十二日 晴、春寒、笹鳴、そして出立——八幡。 昨夜は夜通し眠れなかつた、出立前に、アメリカ同人の贈物ポピーを播いてをく! 今朝の誓願、今後は焼酎を飲むまいぞ、総じて火酒は私に向かない、火酒を飲んでロクな事があつたタメシがない、火酒は地獄の使だ! やつとこさで、九時の汽車に乗れた、やれ〳〵、今日の新聞は車内で読ませて貰つた。 十一時、関門海峡を渡る。—— 急いで、日本銀行支店の岔水君を

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 山頭火全集 第八巻
  • 春陽堂書店
  • 1987(昭和62)年7月25日