らたいだんぎ
裸体談義

冒頭文

戦争後に流行しだしたものの中には、わたくしのかつて予想していなかったものが少くはない。殺人姦淫(かんいん)等の事件を、拙劣下賤な文字で主として記載する小新聞(こしんぶん)の流行、またジャズ舞踊の劇場で婦女の裸体を展覧させる事なども、わたくしの予想していなかったものである。殺人姦淫事件は戦争前平和な世の中にも常にあった事であるから、この事だけでは特種な新聞を発行する資料にはなるまいと思われていたから

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 荷風随筆集(下)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年11月17日