やはずぐさ
矢はずぐさ

冒頭文

一 『矢筈草(やはずぐさ)』と題しておもひ出(いづ)るままにおのが身の古疵(ふるきず)かたり出(い)でて筆とる家業(なりわい)の責(せめ)ふさがばや。 二 さる頃も或人の戯(たわむれ)にわれを捉へて詰(なじ)りたまひけるは今の世に小説家といふものほど仕合(しあわ)せなるはなし。昼の日中(ひなか)も誰(たれ)憚(はばか)るおそれもなく茶屋小屋(ちゃやこや)に出入りして女に戯れ遊

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 荷風随筆集(下)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年11月17日