ぶどうだな
葡萄棚

冒頭文

浅草(あさくさ)公園の矢場(やば)銘酒屋(めいしゅや)のたぐひ近頃に至りて大方取払はれし由(よし)聞きつたへて誰(たれ)なりしか好事(こうず)の人の仔細らしく言ひけるは、かかるいぶせき処のさまこそ忘れやらぬ中(うち)絵にも文(ふみ)にもなして写し置くべきなれ。後に至らば天明時代の蒟蒻本(こんにゃくぼん)とも相並びて風俗研究家の好資料ともなるべきにと。この言あるいは然(しか)らん。かの唐人(とうじん

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 荷風随筆集(上)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年9月16日