そうちゅうきご
桑中喜語

冒頭文

一 なにがしと呼ぶ婦人雑誌の編輯人(へんしゅうにん)しばしばわが廬(ろ)に訪(と)ひ来りて通俗なる小説を書きてたまはれと請(こ)ふこと頻(しきり)なり。そもそも通俗の語たるやその意解しやすきが如くにしてまた解しがたし。僕一人の観て以て通俗となすもの世人果して然りとなすや否やいまだ知るべからざるなり。通俗の意はけだし世と共に変ずべきものなるべし。川柳(せんりゅう)都々逸(どどいつ)は江戸時

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 荷風随筆集(下)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年11月17日