わがしゅうきょうかん
我が宗教観

冒頭文

御存じの通り私の父の椿岳(ちんがく)は何んでも好きで、少しずつかじって見る人でありました。で、芸術以外に宗教にも趣味を持って、殊にその内でも空也(くうや)は若い頃本山から吉阿弥の号を貰(もら)って、瓢(ひさご)を叩いては「なアもうだ〳〵」を唱えていた位に帰依(きえ)していたのでありました。それから後には神官を望んで、白服を着て烏帽子(えぼし)を被った時もありましたが、後にはまた禅は茶味禅味(ちゃみ

文字遣い

新字新仮名

初出

「趣味之友」第23号、1917(大正6)年11月

底本

  • 梵雲庵雑話
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1999(平成11)年8月18日