はいかいし
俳諧師

冒頭文

登場人物 俳諧師鬼貫(おにつら) 路通(ろつう) 鬼貫の娘お妙(たへ) 左官の女房お留(とめ) 元祿の末年、師走の雪ふる夕暮。浪花(なには)の町はづれ、俳諧師鬼貫のわび住居。軒かたむき縁朽ちたる破(あば)ら家にて、上の方には雪にたわみたる竹藪あり。下の方の入口には低き竹垣、小さき枝折戸あり。となりは墓場の心にて、矢はり低き竹垣をへだてゝ其内に雪の積りたる石塔又は卒

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「現代」1921(大正10)年10月

底本

  • 修禅寺物語 正雪の二代目 他四篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1952(昭和27)年11月25日