かつどうしゃしん
活動写真

冒頭文

日本の活動写真界の益々進歩隆盛に赴(おもむ)いて来るのは、私のような大の活動写真好きにとっては誠に喜ばしい事である。私は日本製のものは嫌いで見ないから一向(いっこう)知らないが、帝国館や電気館あるいはキネマ倶楽部などの外国物専門の館へは、大概(たいがい)欠かさず見に行く。しかして回を追って、筋の上にも撮影法の上にも、あらゆる点において進歩しつつあるのを見るにつけて、活動写真も茲(ここ)十年ほどの間

文字遣い

新字新仮名

初出

「趣味之友」第24号、1917(大正6)年12月

底本

  • 梵雲庵雑話
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1999(平成11)年8月18日