ゆきおんな
雪女

冒頭文

多摩川(たまがわ)縁(べり)になった調布(ちょうふ)の在に、巳之吉(みのきち)という若い木樵(きこり)がいた。その巳之吉は、毎日木樵頭(さきやま)の茂作(もさく)に伴(つ)れられて、多摩川の渡船(わたし)を渡り、二里ばかり離れた森へ仕事に通っていた。 ある冬の日のことだった。平生(いつも)のように二人で森の中へ往って仕事をしていると、俄に雪が降りだして、それが大吹雪になった。二人はしかた

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1999(平成11)年12月20日