甘玉(かんぎょく)は幼な名を璧人(へきじん)といっていた。廬陵(ろりょう)の人であった。両親が早く亡くなったので、五歳になる弟の珏(かく)、幼な名を双璧(そうへき)というのを養うことになったが、生れつき友愛の情に厚いので、自分の子供のようにして世話をした。そして珏がだんだん大きくなったところで、容貌(かおかたち)が人にすぐれているうえに、慧(りこう)で文章が上手であったから、玉はますますそれを可愛