安大成(あんだいせい)は重慶(じゅうけい)の人であった。父は孝廉(こうれん)の科に及第した人であったが早く没くなり、弟の二成(じせい)はまだ幼かった。大成は陳(ちん)姓の家から幼(おさ)な名(な)を珊瑚(さんご)という女を娶(めと)ったが、大成の母の沈(しん)というのは、感情のねじれた冷酷な女で、珊瑚を虐待したけれども、珊瑚はすこしも怨(うら)まなかった。そして、朝あさ早く起きては身じまいをして、