ねつじょうのひと
熱情の人

冒頭文

小山内先生は、大学の卒業論文が英国の詩篇の研究であったばかりでなく、文壇へのデビユも「小野のわかれ」「夢見草」に収録された詩作であった。したがって身を劇界に投ぜられて後も、この詩人的なテンペラメントが、常に先生の行動を支配したということができよう。先生は冷静な演劇理論の遂行者というよりも、熱狂的な演劇の殉教徒であられたと思う。明治、大正、昭和の三つのジェネレエションにわたって、真砂座から築地小劇場

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 久保 栄全集 第五巻
  • 三一書房
  • 1962(昭和37)年10月5日