ずじょうのひびき
頭上の響

冒頭文

「君、如何(どう)だ、近頃は不思議が無いか」 私の友人は、よく私にこういうて笑うが、私には如何(どう)してもそれが冗談として打消(うちけ)されない、矢張(やはり)何か一種の神秘作用としか思われないのである、如何(どう)いうものか吉兆の方は無い——尤(もっと)も私の今日(こんにち)までの境遇上からでもあろうが——が奇妙に凶事に関しては、事件の大小を論せず、必ず自分には前報(ぜんぽう)がある、遅

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2007(平成19)年7月10日