しにがみ
死神

冒頭文

往来で放歌(ほうか)をすることは、近頃大分(だいぶ)厳(やか)ましくなったが、或(ある)意味からいうと許してもよさそうなものだ、というのは、淋しい所などを夜遅く一人などで通る時には、黙って行くと、自然下(くだ)らぬ考事(かんがえごと)などが起(おこ)って、遂(つい)には何かに襲われるといったような事がある、もしこの場合に、謡曲(うたい)の好きな人なら、それを唸(うな)るとか、詩吟(しぎん)を口吟(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2007(平成19)年7月10日