ひとつまくら
一つ枕

冒頭文

これは友人の談(はなし)だ、ある年の春の末、もう青葉の頃だったが、その男は一夜(あるよ)友人に誘われて吉原(よしわら)のさる青楼(せいろう)へ上(あが)った、前夜は流連(いつづけ)をして、その日も朝から酒を飲んでいたが、如何(いか)にも面白くない、友人に断(ことわ)って自分だけは帰ろうとしたが、友人が無理に引止(ひきと)めるので、仕方なしに、その宵(よい)はまだ早かったが、三階の一番隅(すみ)の部

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2007(平成19)年7月10日