のきばすずめ |
のきばすずめ |
冒頭文
金雀枝 金雀枝(えにしだ)の 花咲く頃は ほととぎすが啼く ほととぎすが啼く 故郷(ふるさと)の森の中にも もう 金雀枝の花咲く頃か ほととぎすが啼く ほととぎすが啼く 青い芒 青いすすきに 螢の虫は 夜の細道 夜の細道 通(かよ)て来る 細いすすきの姿が可愛ネ 細い姿にこがれた螢ネ 夏の短い 夜は明け易や 夜明け頃まで 夜明け頃まで 通て来る
文字遣い
新字旧仮名
初出
金雀枝「雨情民謡百篇」新潮社、1924(大正13)年7月、青い芒(第4、5、6聯追加改作)「雨情民謡百篇」新潮社、1924(大正13)年7月、蜻蛉釣(初出誌未詳 再録)「婦人倶楽部」1926(大正15)年8月、下総のお吉「別後」交蘭社、1921(大正10)年2月、人形さんよ「令女界」1924(大正13)年11月、お艶(原題 わしの隣人)「都会と田園」銀座書房、1919(大正8)年6月、こんこん狐(原題 コンコン狐)「婦女界」1924(大正13)年12月
底本
- 定本 野口雨情 第一巻
- 未来社
- 1985(昭和60)年11月20日