ごくらくとんぼ
極楽とんぼ

冒頭文

著者より うるほひのない生活は死灰である。人生は死灰ではなかつた。 民謡は、ただちに民衆と握手し、民族生活の情緒をつたふ唯一の郷土詩であり、土の自然詩である。 民衆の握手もなく、人生にもたらすうるほひもなく、郷土的色彩もなき作品は、われらの欲する詩ではなかつた。 極楽蜻蛉は、いささかなりとも民族生活の情緒をつたへたい、わが小民謡集である。 民謡は、

文字遣い

新字旧仮名

初出

但馬山国「曠野」1924(大正13)年5月、暴風の夜「若き文化」1922(大正11)年5月、難波の鴎「婦人世界」1923(大正12)年6月、若葉の月「詩人倶楽部」1923(大正12)年6月、かなしい海「婦人世界」1923(大正12)年8月、ジプシーの歌(原題 ジプシーの唄)「かなりや」1922(大正11)年3月、芒の蔭(原題 迷ひ子さがしの唄)「現代」1921(大正10)年11月、すさみ心(原題 うんと飲みませうか)「かなりや」1922(大正11)年3月、黒のソフトさん「かなりや」1921(大正10)年12月、お三大星さま「婦人世界」1923(大正12)年11月、佐渡が島「金の星」1923(大正12)年9月、出船(原題 沖は時雨か)「雄弁」1923(大正12)年9月、鵯が来る「婦人倶楽部」1924(大正13)年1月、青い月夜「愛唱」1923(大正12)年6月、焦土の帝都「現代」1923(大正12)年10月

底本

  • 定本 野口雨情 第一巻
  • 未来社
  • 1985(昭和60)年11月20日