おさんだいしょさま
おさんだいしよさま

冒頭文

おさんだいしよさまは、常陸地方の方言、 三台星のことなり。 おさんだいしよさま 屋根の上 麦(むぎ)搗(つ)きや臼の蔭で 杵枕(きねまくら)——    (農民歌) 農村の夜更けなどしのばれて、われには なつかしき星なり。 あの山越えて あの山越えて おれとゆかぬか   山越えて あの山越えて   ゆかないか 連れてゆくなら   ゆきもせうが

文字遣い

新字旧仮名

初出

あの山越えて(原題 山越えて)「講談倶楽部」1925(大正14)年12月、春の月「令女界」1925(大正14)年3月、10月、観音さま「新進商人」1925(大正14)年4月、夜明し千鳥(一部改作)「のきばすずめ」東華書院1925(大正14)年2月、軒端雀「のきばすずめ」東華書院、1925(大正14)年2月、菜の花踊り「行楽」1925(大正14)年4月、娘と船大工「現代」1925(大正14)年4月、恋の巣立ち「婦人倶楽部」1925(大正14)年4月、鴫の声「少女の国」1926(大正15)年1月、笠松機場唄(原題 機場唄)「キング」1926(大正15)年5月、籔鶯「婦人画報」1925(大正14)年1月、梅に鶯「婦人倶楽部」1925(大正14)年2月、武蔵野にて(原題 雲雀の唄)「桂月」1926(大正15)年4月、野雀・雀「令女界」1925(大正14)年12月、人形さんよ「のきばすずめ」東華書院、1925(大正14)年2月、因幡夕焼(原題 因幡の夕焼)「婦人倶楽部」1926(大正15)年1月、行々子(原題 よしきり)「日本詩集 一九二六版」1926(大正15)年5月、鯉の滝登り「雄弁」1926(大正15)年1月、春の来る日「令女界」1925(大正14)年1月、そらとぶ鳥よ「婦人倶楽部」1925(大正14)年11月、踵「抒情詩」1925(大正14)年3月、お百姓生れ(原題 田舎者の唄)「日本民謡」1925(大正14)年9月、麦の芽「婦人画報」1925(大正14)年1月、わしが鳥なら(原題 ヤンレサホイ)「講談倶楽部 臨増」1926(大正15)年5月10日、茶ツ葉「詩人倶楽部」1926(大正15)年4月、鐘になりたや「雄弁」1924(大正13)年11月、秋風「婦女界」1924(大正13)年10月、はぐれ烏(一部改作)「雨情民謡百篇」新潮社1924(大正13)年7月、御山小唄「キング」1925(大正14)年8月、秋の月「婦人世界」1925(大正14)年9月、高原颪「婦人画報」1925(大正14)年1月、豆の花「日本詩集 一九二六版」1926(大正15)年5月

底本

  • 定本 野口雨情 第一巻
  • 未来社
  • 1985(昭和60)年11月20日