てつがくのげんだいてきいぎ
哲学の現代的意義

冒頭文

思想の科学 文学に於ける思想性云々ということがよく云われている。文学に就いての文壇的常識のマンネリズムによると文学は思想という何らか或るものとはさし当り無関係であるかのような想定であったとみていい。処へ文壇的文学(純文学其の他と呼ばれた)が一種の停滞を自覚せざるを得ないようになって、その停滞を何とか打破しようという処から、改めて文学の思想性ということが注目されるようになった。文学の社会性

文字遣い

新字新仮名

初出

「唯物論研究 第六〇、六一号」1937(昭和12)年10月、11月

底本

  • 戸坂潤全集 第三巻
  • 勁草書房
  • 1966(昭和41)年10月10日