そうけんせいしんじひ
創建清真寺碑

冒頭文

創建清眞寺碑は支那の陝西省西安府城學習巷の清眞寺内に在る。支那に於ける囘教の傳來を記した最古の石碑として、囘教徒の間には非常に珍重されて居る。碑文に據ると唐の玄宗の天寶元年(西暦七四二)の建設であるから、かの徳宗の建中二年(西暦七八一)に建てられた大秦景教流行中國碑よりも約四十年前のものである。 西暦千八百六十六年に露國の Palladius 僧正が始めてこの碑を學界に紹介したが、餘り世

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「藝文 第三年第七號」1912(明治45)年7月

底本

  • 桑原隲藏全集 第二卷
  • 岩波書店
  • 1968(昭和43年)3月13日