ペチヨリンとゲザ
ペチヨリンとゲザ

冒頭文

鴎外漁史の『しがらみ草紙』は、当年の文学書生であつた私達に取つては、非常に利益の多いものだつた。明治の文壇は、その大半を、この『しがらみ草紙』によつて覚醒させられたと言つても好いと私は思ふ。 ドイツを中心にして、ロシア、フランス、スペイン、ベルジユーム、オーストリア・ハンガリイ、諾威(のるうえ)、丁抹(でんまーく)、さういふ各国の文学がそこに移植せられた。鴎外氏は、医者の方でも医者の医者ださう

文字遣い

新字旧仮名

初出

「中央文学 第一年第二号」1917(大正6)年1月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日