エンジンのひびき |
| エンジンの響 |
冒頭文
想像を排す また想像を排さなければならないやうな時代が来た。想像は作をするに就いてはなくてならないものであるのは言ふを待たないが、この想像が新しい時代の人達の単なる要求と相混合して、十のものを百、百のものを千といふやうに、大きなしかし空疎な幻影を描かしめるものの多いに至つては、我々は又例の幻滅論を繰返さなければならなくなる。 新時代の発生は、自然の順序として、さういふ形を帯びて来るのは、これ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文章世界 第十二巻第五号」博文館、1917(大正6)年5月1日
底本
- 定本 花袋全集 第二十四巻
- 臨川書店
- 1995(平成7)年4月10日