まさむねくんについて
正宗君について

冒頭文

一 『徒然草』の作者を正宗君はよく持ち出すが、何処かそこに似たところがある。共通したところがある。島崎君がよく芭蕉翁を持ち出すのと比べて見て、そこに非常に興味があると思ふ。 芭蕉と兼好とは、全く種類の違つた人間で、兼好が進歩して芭蕉になるといふわけではない。兼好は何処まで行つても、ああした観察と皮肉と絶望とを持つて生きて行つたに相違ないし、芭蕉はまた芭蕉でいかに談林派の空気の中に生きてゐても、矢張

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新潮 第四十一巻第六号」1924(大正13)年12月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十三巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年3月10日