ひひょう
批評

冒頭文

□ 批評といふものは、他に対して自己を発見することである。他のわる口を言つてゐる言葉の中に、却つて自己の弱点を示してゐるやうな場合がよくあるものである。         □ つまり互ひに刺違へてゐる形である。だから小説の批評などにしても、その小説と批評とを両方並べて読んで見なければ、本当のことはわからない。思ひもかけず、その批評の中に却つてわる口を言はれた作のすぐれてゐることを裏書してゐるやうな

文字遣い

新字旧仮名

初出

「電気と文芸 第五号」電気文芸社、1920(大正9)年12月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日