はんにちのかんわ
半日の閑話

冒頭文

一 人間の一生を縦に考へて見ただけでも、世間に就ての考へ方は各自に、非常に違つて来るやうなものである。若い頃には誰でも大概は世間に圧されてゐる。意味なしに上から圧迫されてゐる。従つて弱いものはいぢけ、強い者は反抗するといふやうな態度を取るやうになつてゐる。それといふのもさういふ時代には、対象は十の八九まで世間であつて、何うかして人並になりたい、世間並になりたい、世間のひとりとして認められたいと思

文字遣い

新字旧仮名

初出

一「読売新聞」1924(大正13)年9月12日<br>二「読売新聞」1924(大正13)年9月13日<br>三「読売新聞」1924(大正13)年9月14日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十三巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年3月10日