どうてきげいじゅつ |
| 動的芸術 |
冒頭文
静かな芸術から動いた芸術に進んで行つた。それが新しい文学の最近の傾向であると思ふ。 動いた芸術と言ふことは、動いた物象、動いた人物、動いた心理——さういふものをそのまゝに現はさうとする芸術である。動いている……樹が風に動いてゐる……それをそのまゝ描く。 将来派の芸術は無論さういふ処を狙つて興つたものに相違ない。心の萎靡頽敗(ゐびたいはい)した形でも、昏迷惑溺(こんめいわくでき)した形でも、
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文章世界 第八巻第四号「若草号」」博文館、1913(大正2)年3月15日
底本
- 定本 花袋全集 第二十四巻
- 臨川書店
- 1995(平成7)年4月10日