たびからかえって
旅から帰つて

冒頭文

私達の思つたり、考へたり、行つたりする一段上に本当の生活があるやうな気がする。そしてその生活は、今私達がやつてゐるやうな、そんな喧しい、または利害一遍な、何うしても自分達の欲するまゝを通さずには置かないといふやうなものではなくて、もつと自然な、静かな、平和なものに近いやうに私には思はれた。 戦闘と言ふことが高調せられたり、征服被征服といふ字が用ゐられたりするといふことは、余り好ましいことではな

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文章世界 第十四巻第十号」1919(大正8)年10月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日