せいめつのしんり
生滅の心理

冒頭文

一 生(しやう)と滅との相聯関(れんくわん)してゐる形は到る処にそれを発見することが出来る。生の究竟(くきやう)に滅あり、滅の究竟に生あり、又これを実際の心理に照して見ても、滅を背景に持つた生は、持たない生よりも力強く、生を背景に持つた滅は、決して滅ではないといふことが考へられる。捨てたものほど強いものはない。かう昔から言はれてゐるが、捨てなければ、滅しなければ、または滅をしつかりとその根柢に所

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文章世界 第十二巻第七号」1917(大正6)年7月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日