しんかんかくろん かんかくかつどうとかんかくてきさくもつにたいするひなんへのぎゃくせつ
新感覚論 感覚活動と感覚的作物に対する非難への逆説

冒頭文

独断 芸術的効果の感得と云うものは、われわれがより個性を尊重するとき明瞭に独断的なものである。従って個性を異にするわれわれの感覚的享受もまた、各個の感性的直感の相違によりてなお一段と独断的なものである。それ故に文学上に於ける感覚と云うものは、少くとも論証的でなく直感的なるが故に分らないものには絶対に分らない。これが先ず感覚の或る一つの特長だと煽動してもさして人々を誘惑するに適当した詭弁的

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 愛の挨拶・馬車・純粋小説論
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1993(平成5)年5月10日