こころのえ |
| 心の絵 |
冒頭文
いつまで経つても、また何処まで行つても同じであるこの長い人生、時には退屈して何か人を驚かすやうなことをして見たいと思ふことはあつても、さて、さうしてやつて見たところで、矢張同じやうに何うにもならない人生——。この退屈さの対症療法としては、何も好い薬はないけれど、止むなくばそれ、孤独、無為、無想、無念か。 『あるがまゝで好い、あるがまゝで好い……。それを何うにかしやうと思つたことが間違つてゐた』
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文章世界夏期特別号 第十五巻第八号」1920(大正9)年8月1日
底本
- 定本 花袋全集 第二十四巻
- 臨川書店
- 1995(平成7)年4月10日