げつめいよよ
月明夜々

冒頭文

× この頃の文壇の傾向は全く技巧的になつた。わるい意味に於ての一昔以前への復帰である。宇野氏の作物のごとき、芥川氏の作物の如き——。         × 技巧をもつて人を惹きつけるといふことも、さう楽なことではないけれど、作者自身から言つて、さうしたことに倦む時が来ないであらうか。もつと本当のことを求むる心——自己をそのまゝ出さずにゐられないやうな要求を心に感じて来ることはないであらうか。或はさ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文章世界 第十四巻第十一号」博文館、1919(大正8)年11月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日