けんけんさいさい
娟々細々

冒頭文

× 皮肉に物を見るといふことは、その人の聡明を示してはゐるけれども、しかもその聡明に捉へられて自分一人を好いと思ひあがつたやうな処があつて厭だ。         × 観察とか解剖とか言ふことは、得てさうした皮肉を生み勝ちである。唯、じつとして見てゐたゞけでも、それだけでも、人に皮肉な感じを与へる。         × 皮肉ばかり言つてゐられる人は、存外暢気な性質かも知れない。でなければ、分裂ば

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文章世界 第十三巻第十一号」1918(大正7)年11月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十四巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年4月10日