「にしあまねてつがくちょさくしゅう」じょ
「西周哲学著作集」序

冒頭文

西周氏は元と石州津和野の人である。けれども蚤に江戸に出で幕府に仕へ、幕府の命により和蘭ライデン大學に留學し、教授フㇶツセリングに就いて主として法制の學を修めたのである。留學中已にカントの永遠平和の論を知り、又コントの實證哲學に興味を感じたやうである。而して歸來明治初年に至つて哲學に關する著譯を發行し、加藤弘之、西村茂樹等と共に我國哲學發生の源頭を成したのである。然れども尚ほ仔細に是等と比較對照して

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「西周哲學著作集」岩波書店、1933(昭和8)年10月20日第1刷

底本

  • 西周哲學著作集
  • 岩波書店
  • 1933(昭和8)年10月20日