くさみち
草道

冒頭文

一 「とてもあんなところには泊れやしないね、あんなところに泊らうもんなら何をされるかわかりやしない」かうBが言つたのは、その深い草道を半里ほどこつちに来てからであつた。かれ等は伴れて来た支那人の案内者をまぜて五人、今夜はその山の寺に泊るつもりでやつて行つたのであつたけれども、そのあたりの光景のわるく無気味なのと、そこらに馬賊が出没していつそれが襲つて来ないともかぎらないといふのに不安になつて、も

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 定本 花袋全集 第二十一巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年1月10日