かんだん
閑談

冒頭文

私のこれまでに見て来たところでは、芸術をやるものは多くは無であるやうである。無為、無目的、無慾——従つて多くは虚無的傾向を持つてゐる。かれは金にも眼を呉れない。栄華にも心を奪はれない。社会の慣習にもさう多くの注意を払はない。従つて辞令に巧みでもなければ、情誼にも捉はれない。思ふことはドシドシ言つて了ふし、いやなことはいつでも正直にいやだと言つて了ふ。要するに、普通社会から見れば非常に我儘である。我

文字遣い

新字旧仮名

初出

「随筆 第二巻第八号」1924(大正13)年9月1日

底本

  • 定本 花袋全集 第二十三巻
  • 臨川書店
  • 1995(平成7)年3月10日