あたらしいせい |
| 新しい生 |
冒頭文
吾々はある意味に於ては、即(つ)かなければならない。ある意味に於ては、離れなければならない。しかし、吾々は即くばかりで生きてをられるものではない。また離れるばかりで生きてをられるものではない。即くと同時に離れがあり、離と同時に即がある。これが即ち吾々である。あらゆる矛盾があり、あらゆる撞着のあるのが即ち吾々である。更に言葉を更へて言へば、大きい心ほど、自然に近い心ほど、さうしたあらゆる矛盾したもの
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文章世界 第十五巻第四号」1920(大正9)年4月1日
底本
- 定本 花袋全集 第二十四巻
- 臨川書店
- 1995(平成7)年4月10日