きょじゃく
虚弱

冒頭文

友(とも)と二人(ふたり)でブラリと家(いへ)を出(で)た。固(もと)より何處(どこ)へ行(ゆ)かうといふ、的(あて)もないのだが、話(はなし)にも厭(あ)きが來(き)たので、所在なさに散歩(さんぽ)と出掛(でか)けたのであツた。 入梅(つゆ)になッてからは毎日(まいにち)の雨降(あめふり)、其(それ)が辛(やつ)と昨日(きのふ)霽(あが)ツて、庭柘榴(ざくろ)の花に今朝(けさ)は珍(め

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「新生」1908(明治41)年2月1日

底本

  • 三島霜川選集(中巻)
  • 三島霜川選集刊行会
  • 1979(昭和54)年11月20日