しょうせつ えんちょう あとがき
小説 円朝 あとがき

冒頭文

昨夏四十有余枚書きだした『圓朝』はあまりにも伝記の擒(とりこ)となってしまっていたため、こころに満ち足らわず、ハタと挫折したまま八月九月十月十一月と徒(いたず)らな月日が立っていってしまった。十一月末日、修善寺へ。そこの湯宿の一室にして、年少の日の圓朝が切磋琢磨の修業の上に自分自身を見出したことによって初めて私は、豁然と音立てて心の壁の崩れ落ちるものを感じた。間もなく今度は一気呵成に書き上げてしま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 小説 圓朝
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 2005(平成17)年7月20日