ねこせいばつ
猫征伐

冒頭文

鷄の親鳥、ひなどり、合せて、六十羽ばかり飼ひけるが、一匹の、のら猫來りて、ひよつこを奪ひ去ること、前後、十五六羽に及べり。是に於て、わが家に、一の波瀾起る。その猫を殺さむとは、血氣盛りの甥の意見也。猫も憎けれど、祟るもの也。どうぞ殺して呉れるなとは、母、姉、妻などの意見也。なほ露國が滿洲を占領せしを見ても、清國、韓國などが何等の手出しをも爲す能はざりしが如し。甥、余の意見を問ふ。余曰く、害を爲すも

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第一卷 美文韻文
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年5月28日