にちげつゆ
日月喩

冒頭文

天に日月あるは、人に男女あるが如し。日の光は明かにして強く、月の光は清くして麗しく、おのづから陰陽のけぢめあるは、男の徳の剛を貴び、女の徳の柔を貴ぶに譬ふべし。されば、夏の日は畏るべく、冬の日は愛すべしと云ひけむ。げに、夏の日影はげしく照りては、眼もくらみて仰ぎ見ること能はざれども、紅葉かつ散る小春の日和のうらゝかなるまゝに、南の軒の下に横はりて脊をあぶらむは、如何に心ゆくことの限りなるらむ。夏の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第一卷 美文韻文
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年5月28日