ぎゅうけい
牛経

冒頭文

牛も鳴き狐も鳴きて別れ哉 古原第一の名妓と謳はれたる花扇、千思萬考すれども、解する能はず。終に閉口して、なじみの龜田鵬齋を呼び寄せて、之を問ふ。鵬齋打笑ひて、そなたは振つたるよな、人もあらうに、蜀山人を振るとは、さて〳〵殘念なることをしたるものかなといふ。振つたりと聞きて驚き、蜀山人と聞きて、猶更驚き、膝を進め、腰を搖がして、その故を問へば、牛は何と鳴くぞ、もう〳〵、狐は何と鳴くぞ、こん〳〵

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桂月全集 第一卷 美文韻文
  • 興文社内桂月全集刊行會
  • 1922(大正11)年5月28日