もっともたのしいじぎょう
最も楽しい事業

冒頭文

人の世になによりも楽しいものは仕事である。張り合いのあるものは仕事である。もしも私たちにすることが与えられてなかったら、毎日どんなにつまらないものだろう。 田園の人は、きょう耕した畑に、あすは種子(たね)をまこうと思って楽しく眠る。織りかけている機は、あすは終わるであろうと、ある人は待ちのぞむ。市(まち)の人は朝はやく起きて店を飾り、またある人々は足を早めて、事務所(オフィス)に工場にい

文字遣い

新字新仮名

初出

「家庭教育篇 上巻 巻頭の言葉」1928(昭和3)年

底本

  • 羽仁もと子選集 おさなごを発見せよ
  • 婦人之友社
  • 1965(昭和40)年11月1日、1995(平成7)年10月1日新刷