おさなごをはっけんせよ
おさなごを発見せよ

冒頭文

おさなごは、子宝のなかのさらに貴(とうと)い宝です。この生きた宝物を新しい心でながめていると、あらゆる喜びとあらゆる望みが、つぎつぎとそのなかに発見されて、じっとしてはいられない気になります。 まず第一に、いま生まれたみどりごが、お産婆の手よりも何よりも、自分で生きる力をあたえられているのだということを、たしかに自覚している母親は幾人あるでしょう。都会の新式の家にすむ知識階級の母親から、

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育三十年」1938(昭和13)年

底本

  • 羽仁もと子選集 おさなごを発見せよ
  • 婦人之友社
  • 1965(昭和40)年11月1日、1995(平成7)年10月1日新刷