きせつのばしゃ
季節の馬車

冒頭文

飛雄する東部亞細亞人の爲めに われわれは今やらなければ駄目だ。東半球の太平洋の藝術家として、青青とした若い日本人として、あたらしい神神と民族との史詩や大きい祝祭の、精神的な戰ひを。そして殊に日本人が「飛雄する東部亞細亞人」のために、南部東洋の島島の娘等のために、又は北部亞細亞大陸の若者のために、まだヨーロツパ人の捉へる事の出來ない大太平洋の波濤のページに、あたらしい豪華な景觀と高遠なる史詩や

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「季節の馬車」新潮社、1922(大正11)年7月

底本

  • 日本現代文學全集 54 千家元麿・山村暮鳥・佐藤惣之助・福士幸次郎・堀口大學集
  • 講談社
  • 1966(昭和41)年8月19日