父上に献ぐ 父上、父上ははじめ望み給はざりしかども、児は遂にその生れたるところにあこがれて、わかき日をかくは歌ひつづけ候ひぬ。もはやもはや咎め給はざるべし。 邪宗門扉銘ここ過ぎて曲節(メロデア)の悩みのむれに、ここ過ぎて官能の愉楽のそのに、ここ過ぎて神経のにがき魔睡に。 詩の生命は暗示にして単なる事象の説明には非ず。かの筆にも言語にも言ひ尽し難き情趣の限なき振動のうちに幽かなる心霊の欷歔を