しゅうびん
秋旻

冒頭文

一人の少年は硫酸を飲んで、袴を穿いて山に行き松に縊ったが、人に発見されて、病院で悶死した。一人の少年は友達と夜行列車に乗ってゐて、「この辺は単線か、複線か。」と尋ねてゐたが、一寸の隙にブリッヂから飛込んで昏倒し、その上を別の列車が轢いて行った。もう一人の少年は、「今夜は見ものだよ。」と謎のやうなことを云ってゐたが、その夜彼の部屋の窓には何時までも煌々と燈が点いてゐて、翌朝ガスでやられてゐた。——次

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 普及版 原民喜全集第一巻
  • 芳賀書店
  • 1966(昭和41)年2月15日