……一つの小径(こみち)が生い茂った花と草とに掩(おお)われて殆ど消えそうになっていたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを残して、曲りながらその空家へと人を導くのである。もう人が住まなくなってから余程になるのかも知れぬ。それまで西洋人の住まっていたらしいことは、そのささやかな御影石(みかげいし)の間に嵌(は)めこまれた標札にかすかに A. ERSKINE と横文字の読めるのでも知られる